theLwordにはまる
今更ながらtheLwordにどっぷり。
気が狂うほどShane McCutcheon。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
設定:S6直後。「取り調べテープ」の存在は無視。
先にS7-ep01_01、 S7-ep01_02、 S7-ep01_03、S7-ep01_04、S7-ep01_05をどうぞ。
すべては妄想。
-----------------------------------------
倒れこまないのが不思議なほど青い顔をしたシェーンを支えて、ベッドに寝かせてやり、アリスとベットはキッチンに戻った。疲労困憊した気分でどさりと椅子に腰を下ろす。
カルメンはシェーンの傍にいる。その手を握って離さないのはシェーンなのか、カルメンなのか、ふたりにはわからなかった。
「シェーンのこと、よろしくね。これ以上あの子を悲しませたくない」
溜息とともに吐き出したベットは目を閉じて、額に手を当てる。
「私、あんたのそういうとこ、すごく好きだよ」
アリスは言う。家族を大事にするところ。
「たまにむかつくこともあるけどさ。でも、そういうのも含めて、実の家族より家族みたいに思えちゃうんだ。家族って、むかつくことも多いけど、でも、やっぱり大好きって言うか、見捨てられないって言うか」
あんたは長女で、私はそりの合わない次女ってとこ。アリスは言いながら、冷蔵庫を開け、ビールを二本取り出した。
「シェーンは末っ子ね。一番家族想いの」
ベットも話にのる。
「絶対家族の悪口は言わないもんね」
「優しいのよ」
「ティナは兄嫁でしょ」
「兄?」
手渡されたビールを傾けながら、ベットはアリスを軽く睨んだ。
「なんとなくね」
アリスは肩をすくめ、言葉を続ける。
「キットは叔母さんで、ヘレナは従姉妹だね、子供のころから仲良しの」
「マックスも従兄弟かな。男の子だから、つるんで遊んだりはしないけど」
「カルメンは頼りない末っ子のしっかりした彼女って役回り」
「彼女になってくれればいいけど」
ベットは言いながら、でも、ふたりの間に愛はみえた、と思う。
「あんたがいなくなると寂しいよ」
キッチンテーブルに視線を落とし、アリスは呟いた。テーブル越しに手を伸ばし、ベットはアリスの柔らかな髪を撫でた。
言葉もなく、ぼんやりと過ごしていると、カルメンがやってきた。アリスはもう一本ビールを取り出し、手渡しながら訊いた。
「シェーンは?」
「ようやく眠ったわ」
普段の溌剌とした雰囲気は見る影もなく、伏し目がちに答えるカルメンにベットは言う。
「ジェニーとは私たち、このところ最悪で」
わかってる、というように頷くカルメン。アリスも口を開く。
「ジェイミーが、そういうの専門なんだけど、ジェニーは心に傷を負ってるって言ってた」
「私もジェニーを傷つけた。私がきっかけだったのかもしれない」
カルメンも言って、目を閉じた。その言葉に、ベットは当時のことを思い出す。
「あのときのこと、ごめんなさい。謝って許してもらえるとは思ってないけど、やっぱり、謝りたいわ」
カルメンの横顔を見つめて、ベットは言う。アリスも続けた。
「私からも謝る。シェーンを支えてあげられなくてごめん」
家族からの謝罪。そんな言葉が思い浮かんで、こんな場合なのにと思いながら、カルメンは薄く笑った。
「いいの。忘れたってわけじゃないけど・・・、とにかく、もう乗り越えたと思うから」
時計を見て、ベットは立ちあがる。
「そろそろ帰らないと。アンジーのこと、キットに任せきりなの」
「私が泊まるから、シェーンのことは心配しないで」
アリスは言って、カルメンを振り向いた。
「カルメンはどうする?」
「今日は帰るわ。仕事に行かないといけないし」
「DJの仕事、順調そうだもんね」
街のクラブに精通しているアリスはカルメンの名前をよく見かけていた。
アリスはシェーンの寝室を覗いた。スタンドの明りの中、シェーンの瞳が光っているのは見える。
「生きてる?」
窺うように問いかけると、かすれた声が返答する。
「なんとか」
「なんか食べる?」
「いらない」
アリスはそっと溜息をついて、シェーンの枕もとに腰かけた。
「あんたさ、人間には幸せになる権利があるって私に言ったけど」
くしゃくしゃに縺れた、シェーンの髪を指先で梳いてやる。あんただって幸せになっていいんだよ?
「タフでクールなシェーンもいいけど、それだけじゃ、幸せになれないよ」
落書きする看板もないしさあ、ととぼけてみせれば、シェーンは微かな笑い声をたてる。
「タフじゃなくても、クールじゃなくても、あんたはあんただし、みんな、あんたのこと愛してるよ」
横を向いてしまったシェーンの髪を、それでも撫でながら、アリスは言った。
「何かを失くすってつらいけどさ。怖がらないで愛してみなよ」
こみ上げたものをなんとかやり過ごして、シェーンは口を開いた。
「ねえ、アリス」
いつだってやかましくて、自分を支えてくれる友人の顔を見上げる。
「運命って信じる?」
「運命ね。ベットとティナのことかな」
「あのふたりはそう」
「私とターシャって、違うところばっかりなんだよね。一回数えてみたことあるんだけど」
ポイント制でなんとか逃げ切ったあの一覧表を思い出し、アリスは小さく微笑む。
「合わないところばっかりで、なんで一緒にいたいのかわからないけど、でも、一緒にいたいんだ。だから、これも運命なのかもしれない」
恥ずかしそうに笑って、テイクアウト買ってくる、と立ち上がる。
「あんた、ほんとにいらないの?」
「食べる」
「やっぱりね」
ぽんっと、シェーンの頭をはたいて、アリスは部屋を出て行った。
先にS7-ep01_01、 S7-ep01_02、 S7-ep01_03、S7-ep01_04、S7-ep01_05をどうぞ。
すべては妄想。
-----------------------------------------
倒れこまないのが不思議なほど青い顔をしたシェーンを支えて、ベッドに寝かせてやり、アリスとベットはキッチンに戻った。疲労困憊した気分でどさりと椅子に腰を下ろす。
カルメンはシェーンの傍にいる。その手を握って離さないのはシェーンなのか、カルメンなのか、ふたりにはわからなかった。
「シェーンのこと、よろしくね。これ以上あの子を悲しませたくない」
溜息とともに吐き出したベットは目を閉じて、額に手を当てる。
「私、あんたのそういうとこ、すごく好きだよ」
アリスは言う。家族を大事にするところ。
「たまにむかつくこともあるけどさ。でも、そういうのも含めて、実の家族より家族みたいに思えちゃうんだ。家族って、むかつくことも多いけど、でも、やっぱり大好きって言うか、見捨てられないって言うか」
あんたは長女で、私はそりの合わない次女ってとこ。アリスは言いながら、冷蔵庫を開け、ビールを二本取り出した。
「シェーンは末っ子ね。一番家族想いの」
ベットも話にのる。
「絶対家族の悪口は言わないもんね」
「優しいのよ」
「ティナは兄嫁でしょ」
「兄?」
手渡されたビールを傾けながら、ベットはアリスを軽く睨んだ。
「なんとなくね」
アリスは肩をすくめ、言葉を続ける。
「キットは叔母さんで、ヘレナは従姉妹だね、子供のころから仲良しの」
「マックスも従兄弟かな。男の子だから、つるんで遊んだりはしないけど」
「カルメンは頼りない末っ子のしっかりした彼女って役回り」
「彼女になってくれればいいけど」
ベットは言いながら、でも、ふたりの間に愛はみえた、と思う。
「あんたがいなくなると寂しいよ」
キッチンテーブルに視線を落とし、アリスは呟いた。テーブル越しに手を伸ばし、ベットはアリスの柔らかな髪を撫でた。
言葉もなく、ぼんやりと過ごしていると、カルメンがやってきた。アリスはもう一本ビールを取り出し、手渡しながら訊いた。
「シェーンは?」
「ようやく眠ったわ」
普段の溌剌とした雰囲気は見る影もなく、伏し目がちに答えるカルメンにベットは言う。
「ジェニーとは私たち、このところ最悪で」
わかってる、というように頷くカルメン。アリスも口を開く。
「ジェイミーが、そういうの専門なんだけど、ジェニーは心に傷を負ってるって言ってた」
「私もジェニーを傷つけた。私がきっかけだったのかもしれない」
カルメンも言って、目を閉じた。その言葉に、ベットは当時のことを思い出す。
「あのときのこと、ごめんなさい。謝って許してもらえるとは思ってないけど、やっぱり、謝りたいわ」
カルメンの横顔を見つめて、ベットは言う。アリスも続けた。
「私からも謝る。シェーンを支えてあげられなくてごめん」
家族からの謝罪。そんな言葉が思い浮かんで、こんな場合なのにと思いながら、カルメンは薄く笑った。
「いいの。忘れたってわけじゃないけど・・・、とにかく、もう乗り越えたと思うから」
時計を見て、ベットは立ちあがる。
「そろそろ帰らないと。アンジーのこと、キットに任せきりなの」
「私が泊まるから、シェーンのことは心配しないで」
アリスは言って、カルメンを振り向いた。
「カルメンはどうする?」
「今日は帰るわ。仕事に行かないといけないし」
「DJの仕事、順調そうだもんね」
街のクラブに精通しているアリスはカルメンの名前をよく見かけていた。
アリスはシェーンの寝室を覗いた。スタンドの明りの中、シェーンの瞳が光っているのは見える。
「生きてる?」
窺うように問いかけると、かすれた声が返答する。
「なんとか」
「なんか食べる?」
「いらない」
アリスはそっと溜息をついて、シェーンの枕もとに腰かけた。
「あんたさ、人間には幸せになる権利があるって私に言ったけど」
くしゃくしゃに縺れた、シェーンの髪を指先で梳いてやる。あんただって幸せになっていいんだよ?
「タフでクールなシェーンもいいけど、それだけじゃ、幸せになれないよ」
落書きする看板もないしさあ、ととぼけてみせれば、シェーンは微かな笑い声をたてる。
「タフじゃなくても、クールじゃなくても、あんたはあんただし、みんな、あんたのこと愛してるよ」
横を向いてしまったシェーンの髪を、それでも撫でながら、アリスは言った。
「何かを失くすってつらいけどさ。怖がらないで愛してみなよ」
こみ上げたものをなんとかやり過ごして、シェーンは口を開いた。
「ねえ、アリス」
いつだってやかましくて、自分を支えてくれる友人の顔を見上げる。
「運命って信じる?」
「運命ね。ベットとティナのことかな」
「あのふたりはそう」
「私とターシャって、違うところばっかりなんだよね。一回数えてみたことあるんだけど」
ポイント制でなんとか逃げ切ったあの一覧表を思い出し、アリスは小さく微笑む。
「合わないところばっかりで、なんで一緒にいたいのかわからないけど、でも、一緒にいたいんだ。だから、これも運命なのかもしれない」
恥ずかしそうに笑って、テイクアウト買ってくる、と立ち上がる。
「あんた、ほんとにいらないの?」
「食べる」
「やっぱりね」
ぽんっと、シェーンの頭をはたいて、アリスは部屋を出て行った。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
プロフィール
HN:
いぬ
性別:
女性
趣味:
theLword
自己紹介:
世間に遅れること何年?
今更theLwordにはまりまくる。
Shaneに惚れて、毎日腹筋。
そう言えば私もゲイ♀だった。
今更theLwordにはまりまくる。
Shaneに惚れて、毎日腹筋。
そう言えば私もゲイ♀だった。
最新記事
(03/27)
(03/27)
(03/25)
(03/24)
(03/23)
アーカイブ
ブログ内検索
アナライズ
カウンター
御用の際は
Powered by NINJA TOOLS