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theLwordにはまる 今更ながらtheLwordにどっぷり。 気が狂うほどShane McCutcheon。
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設定:S6直後。「取り調べテープ」の存在は無視。
先に
S7-ep01_01S7-ep01_02S7-ep01_03をどうぞ。
すべては妄想。
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目が覚めると、折り畳んだ足が軋むように痛く、シェーンは顔をしかめた。無理に伸ばそうとするとなにかにぶつかり、カウチで寝たことを思い出す。のろのろと身体を起こすとキッチンから声がした。
「コーヒー飲む?」
「うん」
答えてから、カルメンがいることが信じられず、シェーンはゆっくりとキッチンに近づく。
カルメンはシェーンの貸したTシャツとスウェットを着て、朝日の中でこの光景にしっくりと馴染んでいた。
「カルメン」
思わず名を呼んで、シェーンは戸惑った。何も言うことなどないはずなのに。
「なに?」
コーヒーカップを手渡しながら、カルメンは眉を寄せる。
「えーと・・・」
「なによ?」
「信じられない」
「なにが?」
「ここにいること」
「私も信じられないわ」
ふっと笑みを交わし合って、ふたりは目を逸らす。
 
「それから、昨夜の話」
「あれは・・・」
何事か言いかけたカルメンを遮って、シェーンは言う。
「なんて言えばいいのか・・・、ジェニーが私に服を捨てろと迫ったことがある」
それで、とカルメンは視線で続きを促した。
「そのとき、シェリーといたときの服やペイジといたときの服は簡単に捨てられた」
シェーンはカルメンの手を取った。
「でも、あんたといたときの服は捨てられなかった」
じっとその目を見つめて。
「だから、私も、運命って・・・」
 
「シェーン?」
突然のノックとともに、裏口が開けられた。ぱっとカルメンの手を離し、いつの間にか近づいていた距離に、シェーンは数歩後ずさる。
「シェーン、朝早くからごめんなさい。でも、今、不動産屋から電話があって」
ベットは一気にまくし立ててから、カルメンの存在に気付いた。
「ハイ、ベット」
気まずそうに挨拶をした、この家に泊まったとしか見えないカルメンの姿に驚きの表情になり、シェーンに向かって、思い切り眉を上げてみせる。
「シェーンはカウチで」
「私はカウチで」
慌てた弁解は二人同時になり、ベットはますます怪しんだ。カルメンは思わず額に手を当て、シェーンは自分の髪を掴む。問い詰めようとベットは口を開いたが、今はそれよりも大事な話があることを思い出す。
「まあ、それはあとで聞くとして。シェーン、不動産屋からうちの買い手が見つかったって電話があったんだけど、それが・・・」
「それがどうしたの?」
「あなたが・・・シェーン・マッカチョンがうちを買うって言うの」
 
 
ベットが不動産屋から聞き出した”シェーン・マッカチョンの”弁護士に連絡すると、その日のうちに彼女のオフィスを訪ねることになった。
「なんでアリスがいるんだよ」
ルームミラー越しに手を振るアリスをシェーンは睨んだ。
「こんな面白いこと見逃せないじゃん」
“面白いこと”が弁護士を訪ねることではなく、シェーンとカルメンの関係を指していることはハンドルを握るシェーンにも、助手席のベットにも、アリスの隣に座るカルメンにも明らかだった。
 
「で、やっぱりやっちゃったわけ?」
堪えきれないという様子のアリスが早速言いだすと、シェーンは思い切り顔をしかめた。
「やってない」
「じゃあ・・」
「アル、質問はひとつだけだ」
「そんな・・・」
反論しようとしたアリスはルームミラーに本気の視線を見つけて、仕方ないなとシェーンの攻略は諦めた。
「じゃあ、カルメンに質問」
「アリス・・・」
ルームミラー越しにまだ自分を睨んでいるシェーンにアリスは人差し指を振ってみせる。
「質問はひとつだけ。シェーン、あんたも聞きたいことだよ」
「オーケー、ひとつだけね」
カルメンは頷いた。
「今、付き合ってる人は?」
カルメンもまた、ちらりとルームミラーに視線をやって、シェーンが自分を見ていることを確認した。
「いないこともないけど・・・、真剣な相手はいないわね」
「だってさ、シェーン」
からかうためのアリスの声に、隣のベットからも視線を送られて、シェーンは眉間の皺を深くした。
 
社会復帰を手伝うよ。そう言ってアリスはカルメンがいなかった間のできごとを話し始める。
「一番のビッグニュースはベットとティナがよりを戻したこと。驚くでしょ? あんなに泥沼だったのにさ・・・」
アリスのはしゃいだ声を背中に聞きながら、すっと運転席に身体を傾け、ベットは囁いた。
「それで? どうなってるの?」
謝罪は受け入れられたのか、いや、そもそも許されるわけはないけれど。なぜ彼女は今もここに一緒にいるのか。自分は今朝、何と言おうとしたのか。ベットがこなければ、何を言っていたのか。これから、どうなるのか。
「わからない」
シェーンがぽつりと答えるとベットももう、何も言わなかった。




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プロフィール
HN:
いぬ
性別:
女性
趣味:
theLword
自己紹介:
世間に遅れること何年?
今更theLwordにはまりまくる。
Shaneに惚れて、毎日腹筋。
そう言えば私もゲイ♀だった。
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